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亀仙人2映画「ヨーク軍曹」
1941年アメリカ
第1次世界大戦大戦終盤、フランスのアルゴンヌにおける戦いでヨーク軍曹(当時は伍長)の所属する部隊は8人で10倍以上のドイツ軍とたたかい、25名のドイツ兵を殺害し、132名を捕虜とする大手柄を立てた。この映画はその話を基に作られました。
監督
ハワード・ホークス
脚本
ジョン・ヒューストン
ハワード・コッチ
エイベム・フィンケル
ハリー・チャンドリー
製作
ジェシー・L・ラスキー
ハル・B・ウォリス
出演者
ゲイリー・クーパー
ウォルター・ブレナン
ジョーン・レスリー
ジョージ・トビアス
スタンリー・リッジス
マーガレット・ワイチャーリイ
ウォード・ボンド
ノア・ビアリー・Jr
ジューン・ロックハート
音楽
マックス・スタイナー
撮影
ソル・ポリト
編集
ウィリアム・ホームズ
アイキャッチ画像の写真は本物のアルヴィン・ヨーク軍曹
この映画でゲイリー・クーパーはアカデミー主演男優賞を贈られました。
後忘れていけないのは、母親役のマーガレット・ワイチャーリイです。酒を飲むことで苦しい生活の憂さを晴らしている息子を理解し、まわりから乱暴者と言われている息子をかばい立てする優しい母親を演じています。
もう一人、村で教会の牧師と雑貨屋のおやじの2足の草鞋を履いているパイルを演じている、ウォルター・ブレナンも良い味を出しています。彼は乱暴者のヨークを信仰の力で何とか立ち直らせようと努力しています。
あらすじ(ネタバレあり)と感想
テネシー州の山間部にある村で主人公のヨークは妹と弟、母親の4人で暮らしていた。ヨークの耕している農地は高台にあるため一生懸命働いても収穫が少なく暮らしは苦しかった。そのために酒を飲んで憂さを晴らすのだが、当時テネシー州では州法で酒の売買が禁止されていたため、隣のケンタッキー州まで出かけなければなりませんでした。
映画ではヨークがケンタッキー州との州境にある酒場まで酒を飲みに行っているため、弟のジョージか連れ戻してくるのに夕方に出かけて、帰ってきたのは翌日の朝になっていました。またこの酒場には、床に州境を示す白線が書かれていて、酒を買うときはケンタッキー州側のカウンターで買うようになっています。
そんなヨークでしたが、弟とキツネ狩りの途中に幼馴染のグレイシーに会い一目惚れしてしまう。その後ヨークはグレイシーと結婚するために低地にある農地を手に入れようと日夜一生懸命働いたが、支払いの期限が来ても土地の代金に届かなかった。ヨークは地主のトムキングに支払いの期限を4日伸ばしてもらい、週末の射撃大会に優勝してその金で払うことにした。
お金がそろって地主のトムキングに土地の代金を払おうとしたら、支払期限が過ぎていたため、もう他の人に売ってしまったと言う。しかも売った相手は恋敵のゼブであった。ゼブはグレイシーが゛ヨークに好意を寄せているのを見て、嫌がらせのためにヨークの狙っていた土地を買ったのだった。
激しい失望と怒りに襲われたヨークは、酒で抑えようとしたが抑えられず激しい雷雨の中銃を片手に復讐のためゼブの家に向かった。途中、村の教会のそばに来た時雷に打たれて気を失ってしまいました。気が付いた時には、自分と乗っていたロバは無事でしたが銃は落雷の直撃を受け使い物にならなくなっていました。これでは復讐が出来ないと途方に暮れたヨークは、聞こえてくる賛美歌に誘われて村の教会に向かって行った。
乱暴者で村中に嫌われているヨークが教会に入って来たのを見たパイル牧師は、讃美歌の歌詞を一句一句教えながら祭壇のそばに来て一緒に歌うように促しました。はじめは恐る恐る歌っていたヨークですが、だんだん大きな声で歌うようになり、最後は祭壇のそばで牧師と固い握手を交わしました。一緒にいた村人たちも、新しく神の子の仲間となったヨークを喜び、彼を取り囲んで祝福しました。
この時の牧師を演じているウォルター・ブレナンの演技がとても素晴らしい。私はキリスト教徒ではありませんが、おもわず胸が熱くなってしまいました。
キリスト教徒となったヨークは約束を破って土地を売った地主のトムキングや恋敵のゼブとも和解しました。とくにゼブは嫌がらせのために土地を買っただけだから、トムキングに前金で払った分は自分の土地として耕してもよいと言いました。
キリスト教徒として信仰を深めていったヨークは、村人たちから信頼され子供たちに聖書の言葉を教えるほど成長しました。
このまま順調にいくかと思えた時、大事件が起こりました。1917年4月6日アメリカがドイツに宣戦布告し、第1次世界大戦に参加したのです。
牧師はヨークを助けるため「良心的兵役拒否者」として認めてもらうよう申請しましたが、村の小さな教会の申請では認めてもらえず、招集令状が来てヨークは兵役に就くことになりました。
良心的兵役拒否者とは
もともとは信仰上の理由により兵役に就くこと、または兵役についても敵の兵士を殺す戦闘業務に就くことを拒否する者をいいます。兵役につかない代わりに国家や地元で奉仕活動を命じられることが多いです。
兵役に就いたヨークであったが、良心的兵役拒否者として申請したため軍の監視を受けることになってしまった。幼いころから射撃に慣れ親しんできたヨークは射撃訓練で抜群の成績を上げ、驚いた教官のパーソンズ軍曹は彼を射撃の特別教官として伍長に推薦した。隊長のバクストン少佐に呼ばれて伍長に昇進することを告げられたヨークはこれを断るのでした。神が人殺しを禁じているので受けられないというのが理由でした。信仰上の理由で昇進を拒むヨークに、隊長のバクストン少佐は「合衆国の歴史」と書かれた本を渡し、こう言いました。
「人が見たり触れたりできない何か、失って初めて気づくものそれは”自由”というものだ。個人の人権を守るためにみんなが戦い、みんなのために個人が戦った。それが”人民の人民による人民のための政治”だ。この本は合衆国の歴史を作ってきたそのような人々のことが書かれている。そして戦いは今も続いている。君は信仰が厚い、神を敬っている。また、今まで農夫として土地を耕し、家族を養ってきた。その精神が君や私、アメリカの遺産として残る。しかし遺産を守るためにいのちを犠牲にすることもある。10日間の休暇を与える。急がなくても良い、よく考えて決めてくれ。もし答えが出なかったら除隊しても構わない。」
この頃のアメリカ映画は、面白さばかり追求して、この映画のように理想を掲げ、理想の実現のために努力し、戦う映画が少なくなってきたような気がします。
故郷に戻ったヨークは裏山に登り、どうしたらよいか考えますが、なかなか考えが纏まりませんでした。たまたま風が吹いて聖書のページがめくれそこに書かれた言葉
「シーザーのものはシーザーに帰すべし、神のものは神に」
で
「シーザーのものを神に返せ」
と言っていないことに気が付き、山を下り元の隊に戻りました。
昔このような場合は「正・反・合」とか「止揚」をやれと教わった記憶があります。この時は、「神の教え」と「国への義務」にいつまでも、こだわっていないで新しい第3の道に気が付いた、ということでしょうね。
戦いの後、現場を訪れたバクストン少佐との話にそれが出ています。
「伍長、故郷から帰った夜、君はこう言った。”国に全霊を捧げます。殺人以外は”と、考えが変わったわけは」
「当初は殺人を否定しましたが、仲間が機銃掃射で倒れるのを見ると、このままでは数千の死者が出ると思いました。避けるには機銃を機銃を止めるしかないと。それが理由です。」
訓練を終えフランスに渡ったヨークはアルゴンヌの戦いで、ドイツ兵132名の捕虜をとらえる大手柄を立てフランスから陸軍勲章アメリカから殊勲十字章、名誉勲章が送られ一躍有名になりました。特に最後の名誉勲章アメリカにおいて受賞した者には、大将といえども先に敬礼するほどの大変な名誉です。英雄になったヨークのもとには映画や劇場からの出演依頼、コマーシャルの依頼など総額25万ドルの仕事が飛び込んできたが、自分が武勲を立てる為に死んだ人のことを考えると受けるためにいかないとして、全部断りました。
故郷に帰ると欲しかった土地と新しい家が、2人のためテネシーの人たちから贈られていました。
第1次世界大戦に参戦したアメリカ兵の解説はこちら ↓
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