「映画」ファイブ・デイズ・ウォー
2001年 アメリカ
1918年10月フランスアルゴンヌの森でホイットルセー少佐率いる部隊は、戦闘中に本体から切り離されドイツ軍に包囲されました。しかし弾薬・食料・医療品が不足するなか5日間にわたって前線を確保し続けた。戦いが終わったとき554名の隊員の内救助されたのは194名であった。
監督
ラッセル・マルケイ
脚本
ジェームズ・カラバトソス
撮影
ジョナサン・フリーマン
音楽
リチャード・マービン
出演
リッキー・シュローダー
フィル・マッキー
ジェイミー・ハリス
ダニエル・カルタギロン
あらすじと感想
アイキャッチ画像の写真はこの映画の主人公チャールズ・ホイットルシー少佐(当時は大尉)本人の写真です。彼はハーバード・ロー・スクールを卒業した弁護士で、1917年大尉として西部戦線に派遣されました。
弁護士出身の彼は部下の兵士に向かって「襟をしっかり閉めろ」「ひげをそれ」「ヘルメットはきちんと被れ」等々口うるさく言い嫌われていました。また上官からも文民出身とのことで軽く見られていました。
10月初めアメリカ第七十七歩兵師団ではアルゴンヌの森のドイツ軍陣地に対してアメリカ軍二師団、フランス軍一師団で攻撃を行うことにしました。この時ホイットルシー率いる第三〇八七歩兵連隊五五四名は中央のシャレヴォー・ミルの森を敵から奪取する任務を受けました。
この時ホイットルシーは食料・弾薬・医薬品の補給を訴えましたが断られました。師団長のアレグサンダー将軍に「文民は不平ばかり言う。平和を唱えるだけの理想家、国のために戦う気概がない」と言われ「命令には従いますが、玉砕は必至です」と言い出撃する。
10月2日、ドイツ軍の防御網を破りドイツ軍の機関銃陣地を落とし、そこに橋頭保を確保しました。この時点でホイットルシーの部隊は攻撃に成功しましたが、他のフランス軍とアメリカ軍はまだ後方にいました。しかしアレグサンダー大将は両軍は前方にいるとの偽情報を流し、ホイットルシーの軍に前進を命じました。
ホイットルシーの軍は前進を続けシャレヴォー・ミルの森に到達しそこに豪を掘って待機します。この時アレグサンダー将軍は全軍に撤退命令を出しますが、ホイットルシーの隊は電話が不通となり最前線で孤立してしまいました。
10月3日ドイツ軍が攻撃を開始して来ました。この攻撃のさなかホイットルシーは弾詰まりを起こしていたクロトシンスキーを助け弾詰まりを解消します。ドイツ軍はとても強く何度も攻撃して、ホイットルシーは後退を余儀なくされましたが、ちょうどその時、本隊とはぐれたホルダーマン大尉の部隊が通りかかって、かろうじて敵を撃退できました。
この夜、帰ってきた斥候の報告で両翼の味方はおらず、孤立していることが明らかになりました。ホイットルシーはこの場所を死守することを決断します。食料がなくなり殺したドイツ兵から食料を奪って飢えをしのぎます。
10月4日、師団本部はホイットルシーの部隊を掩護するために砲撃を開始した。助かったと思った瞬間、砲弾は味方の上にも落ちてきました。急いで伝書鳩を飛ばし、誤爆していることを知らせましたが大勢の死傷者が出てしまいました。
この間もドイツ軍の攻撃は続いてました。弾薬が無くなりかけたため、死体のふりをしてドイツ兵を近づけ銃剣で攻撃するようになりました。この肉弾戦のシーンは迫力があります。
10月5日、本部は偵察機を飛ばして部隊の正確な位置を探ろうとしました。パイロットは部隊を発見しましたが、ドイツ軍に攻撃され、やっとの思いで本部にたどり着きました。
10月6日、ドイツ軍のプリンツ少佐は捕虜のアメリカ兵に降伏を勧告する書類を持たせホイットルシーの所に還します。
ホイットルシーは白旗をドイツ軍に陣地に向かって投げつけ、降伏を断りました。
10月7日、弾丸が尽きたとみたドイツ軍は火炎放射器で攻撃してきました。下手に近づくと焼き殺されてしまいます。残った隊員はわずかな弾丸と銃剣で敵を撃退しました。
この日の夕方、師団長自ら部下を率いて救援に駆け付けました。苦しい戦いをしのいで帰還する兵士に、大将以下全員が敬礼して見送りました。
最後に本部に帰るとき、戦いでボロボロになりながらも、隊長ホイットルシーの号令で全員襟を正し隊列を作って行進するシーンが素晴らしい。どんな状況でも軍人としての誇りだけは失わない、まことに男らしい映画でした。
ホイットルセーの部隊が参加したムーズ・アルゴンヌ攻勢の説明はこちらにあります ↓
アメリカの参戦に関する記事はこちら ↓
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