sponsored link
亀仙人2映画 勇者たちの戦場
2006年 アメリカ
イラク戦争の激しい戦いで心身ともに大きく傷ついた兵士たちは、アメリカに帰還した後も日常生活になじめず、苦しみ続けます。
監督
アーウィン・ウィンクラー
脚本
マーク・フリードマン
原案
マーク・フリードマン
アーウィン・ウィンクラー
製作
ジョージ・ファーラ
製作総指揮
ジョン・トンプソン
出演者
サミュエル・L・ジャクソン
ジェシカ・ビール
カーティス・ジャクソン
音楽
スティーヴン・エンデルマン
撮影
トニー・ピアース=ロバーツ
編集
クレイトン・ハルシー
あらすじと解説
この映画は、イラク戦争からアメリカに帰ってきた、同じ地域に住む4人の兵士達が罹ったPTSD(心的外傷後ストレス障害)を扱っています。
心的外傷後ストレス障害とは
心的外傷後ストレス障害(しんてきがいしょうごストレスしょうがい、Post Traumatic Stress Disorder、PTSD)は、命の安全が脅かされるような出来事(戦争、天災、事故、犯罪、虐待など)によって強い精神的衝撃を受けることが原因で、著しい苦痛や、生活機能の障害をもたらしているストレス障害である。引用 ウィキペディア
映画の冒頭で、1人の男が子羊の死骸のような物を道端に置いて行く。そばの民家の壁には星条旗と銃を持ったフセイン大統領の絵が描かれています。
イラクに設置されたアメリカ軍のキャンプ。軍医のウィルはイラク人の子供の治療をしています。他のトミー、ジャマール、女性兵士バネッサたちはつかの間の平穏状態の中スポーツに興じていました。彼らは2週間後アメリカに帰還することが決まっています。
彼らは人道支援のため、アル・ハイに医師と医薬品を届ける任務を受け、基地を出発します。
しかし、彼らはアル・ハイの狭い市街地で前をトラックにふさがれ立ち往生したところを、待ち伏せ攻撃されてしまいました。
トミー、ジャマール、ジョーダンの3人は攻撃した敵を追跡します。その途中、最後尾にいたジャマールは背後からやってきた人影を撃ち殺してしまいますが、それはイスラムの民族衣装ニカブを被った女性でした。ジャマールはショックを受けます。
トミーとジョーダンは敵を墓地に追い詰めますが、敵の銃撃を受けジャマールは親友トミーの腕に抱かれて死んでしまいました。
軍医ウィルとバネッサは、いったん隊を離れ後退します。しかし、途中でIED(簡易手製爆弾 映画の冒頭で子羊の死骸に仕掛けられていたもの)にやられ、バネッサは左手を負傷してヘリで運ばれました。
兵役を終え家に帰った軍医ウィルは、妻が開いたホームパーティで子供たちが遊ぶ姿や、知り合いの人たちの他愛もない会話に入れず違和感を感じて、一人家に閉じこもります。
トミーは、帰国後親友ジョーダンの葬儀に参加しました。そのときジョーダンの妹サラから
「変わったわね。目が何だか、遠くを見ている感じで、悲しげよ。」
と言われます。
この表情は、映画の主人公4人とも、戦地のフラッシュバックとともに現れます。
祖国に戻った女性兵士バネットは、切断した右手の治療をW・リード陸軍病院で受けた後、自宅に戻りました。しかし、義手の右手を思うように扱えないことと、同情を受けたくないため周りを拒絶して怒り易くなり、恋人レイとの仲も悪くなってしまいました。
トミーは帰国後、もと勤めていた銃砲店にに戻ろうとしましたが、15ヶ月留守にしていたため、店主が新しく人を雇っていたため職を失いました。
仕方なく勤めていた映画館で、バネットと会いともに日ごろ感じている満たされない思いを話し合います。
「世間の人たちは、呑気に暮らしてイラクを忘れている。」
「そう、それで僕は無性に向こうへ戻りたくなる。」
「よく分かるわ。ほとんど初対面なのに話していると、昔からの知り合いみたい。逆に本当の知り合いが他人に感じられて、」
「まったく同じだ。すべて虚しい気分」
元警察官だったトミーの父親は、彼に警察官になるように勧め、手配します。
独り者のジャマールは、戦闘で民間人の女性を殺したことがトラウマとなり、トミーと同じカウンセラーの元に通っていました。かってタフで陽気だった彼は恋人との仲がうまくいかず、さらに仕事にも恵まれないため、常に苛立ち怒りっぽくなっていました。
しかし、カウンセリングを受けても症状が善くならないことに腹を立てたジャマールは、トミーを含め同じグループの人と喧嘩して白眼視されてしまいます。
やがてジャマールは関係が冷たくなった恋人キーシャの勤めているレストランに押しかけ、彼女を人質に立てこもります。トミーは彼を助けようと、警官隊の包囲する中ジャマールに会いに行きました。
ところがジャマールはトミーの説得に応じ、立ち上がった瞬間、取り囲んでいた警察官によって射殺されてしまいました。
医師ウィルは戦争反対を唱える息子モリーと対立するようになり、そのことに対して妻べネロープも夫に不満をぶっつけるようになります。家庭内の不和と不眠に悩んだウィルは、やがて酒に溺れていってしまいます。
感謝祭の日、酒に酔って帰宅する彼は、道端で落ち葉をかき集めいた3人の作業員を家に招待しました。休日なのに働いている彼らを哀れに思い、一緒に七面鳥を食べようと思ったのです。
いざ食べようとした時、息子モリーが口にピアスを着けていることに腹を立て、喧嘩となり思わず拳銃を手に持ってしまいました。自分の行動に愕然としたウィルは妻と一緒にカウンセラーに通いました。そこで彼はイラク戦争での恐ろしい体験を話します。
12時間の勤務を終え、いざ眠ろうとした時、それまで攻撃されなかったキャンプ地に砲弾が降り注ぎました。
一度に大勢の負傷者が運び込まれ、彼は対応に追われました。
「3時間で6本の手足を切断した。兵士4人は死亡。皆、十代の若さだ。そのすべてをこの目で見た。今後も見続ける。ただふと、誰も救えないと気づく瞬間があって、胸が苦しくなる。そして惨めになる。自分が無力だと・・・」
「ただ、問題はそんなことではない。私は何も感じないのです。普通そんなはずはない。治療中何か感じるはずです。なのに無関心。患者の名前すらも・・・」
彼にとってすべての出来事は、自分と関係にない別世界で起こっているように感じられているのです。ウィルはその世界に戻ろうとして苦しんでいたのでした。
カウンセラーの忠告でウィルは家族との関係を取り戻し、回復に向かい始めました。
バネッサは日常生活のイライラが高まり、話を聞いてもらおうと、日ごろ好意を寄せていた同僚の教師ケアリーに電話しました。
ケアリーはバネッサが体験した恐ろしい話を聞き、やさしく包み込んでくれました。バネッサもやっと安住の地を見つけ出しました。
トミーは若いころからの友ジャマールが警官に射殺されたため、警察の採用試験を放棄して軍に戻る決意をします。
「最初は何も知らず、戦地に赴いた。始めは軍も政府も考えが甘かった。戦うことでかえって事態を悪化させるだけかもしれない。それでも僕は現地で苦闘する仲間をほっておけないんだ。
一日でも早く戦争を終わらせ、兵士だけではなくその両親や恋人、子供、配偶者みんなが苦しむのをとめるために。」
私のブログでも、いったん戦地から帰還しても普通の生活に馴染めず、再び戦場に戻る兵士を扱った映画があります。
私の感じとしては、再び戦場に戻って人を殺すことで帰って事態を悪化させるだけだと思います。
第1次世界大戦の映画です ↓
アフガニスタンに従軍した、デンマーク兵士の話です ↓
アラビアのロレンスも砂漠の手柄で大佐となって退役した後、再び入隊して2等兵から出発しています。
これらの映画に共通していることは、主人公が悲しげな目で遠くを見つめている場面があることです。
戦争には勝者も敗者もありません。ただ、犠牲者が増えるだけです。
このサイトをご覧くださっている皆様へ
このサイトで取り扱っている映画は、DMMの宅配DVDレンタルで借りられます。
DMMに入会すると、希望するタイトル(あらかじめリストに登録しておきます)が2枚づつ封筒に入れて、郵送されてきます。返却は同じ封筒に入れて郵便ポストに投函するだけです。
近くにビデオレンタル屋さんがない所などでは、助かると思います。
またこのサイトで扱っている映画のDVDは、店舗に置いていないことが多いため、探したり取り寄せてもらったりする手間を考えると、望む商品を直接自宅に届けてもらえるこのサービスは、大変重宝です。
今はやりのネットによる動画配信サービスよりも、はるかに多い約44万タイトルのDVDを扱っておりますので、なかなか手に入りにくい映画も見ることが出来ます。
現在30日間無料体験サービスを行っておりますので、一度試してみることをお勧めいたします。