イングリッド・バーグマン主演の映画「追想」をもとに、アニメに作り替えた映画です。こちらもアナスタシア伝説をもとに、つくられています。
1997年 アメリカ
アナスタシア | |
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Anastasia | |
監督 | ドン・ブルース ゲイリー・ゴールドマン |
脚本 | スーザン・ゴーシャー ブルース・グレアム ボブ・ツディカー ノニ・ホワイト |
製作 | ドン・ブルース ゲイリー・ゴールドマン |
製作総指揮 | モーリーン・ドンリー |
出演者 | メグ・ライアン ジョン・キューザック |
音楽 | デヴィッド・ニューマン |
編集 | フィオナ・トレイラー |
解説とあらすじ
この映画の特徴は、ふつうのアニメと違って最初に俳優さんたちにセリフを読んでもらい、その時の表情や、身振り手振りをもとに動画を作っていることです。
主役アナスタシアの動作や表情が、声を担当しているメグ・ライアンに似ていると思ったら、そういうことだったのですね。
映画は1916年(本当は1913年、下はその写真)ロマノフ王朝300年祭を祝う題舞踏会の場面化に始まります。
その時アナスタシアは祖母である皇太后に、1枚の絵(下の写真)を渡しました。映画の最初にこの絵が出てきますので、よく見ていてください。
パリに住んでいた皇太后は、アナスタシアと別れても思い出せるようオルゴールの入った宝石箱を渡します。宝石箱のカギをペンダントにして、アナスタシアに渡しました。そのペンダントには、『パリで一緒に』の文字か書かれています。
華やかな舞踏会に、突然暗雲が立ち込めました。悪魔に魂を渡して、魔力を手に入れた怪僧ラスプーチンが現れ、「2週間以内のロマノフ家の血が絶える」との呪いをかけて、去っていきます。
実際のラスプーチン
この映画の重要な役を占めるグリゴリー・ラスプーチンについて書いてみます。
1869年1月9日、シベリアの寒村ポクロフスコエ村で生まれたラスプーチンは、「巡礼の旅に出る」と言い残して父親や妻を置いて村を出ていきました。
1905年ごろ、サンクトペテルブルクに出たラスプーチンは、人々に病気治療を施して信者を増やし「神の人」と称されるようになりました。
1907年4月には、うわさを聞いたニコライ2世によりエカテリーナ宮殿に呼び出され、血友病患者であったアレクセイ皇太子の治癒に当たった。彼が祈祷を捧げると、翌日にはアレクセイの発作が治まって症状が改善し、皇室の信頼を得ます。
やがてラスプーチンはアレクサンドラ皇后をはじめ宮中の貴婦人や、宮廷貴族の子女から熱烈な信仰を集めるようになりました。
皇帝ニコライ2世や皇后アレクサンドラに信頼され、度々宮廷に顔を出すようになり、やがて政治にも口を出すようになりました。
このことから、ラスプーチンは貴族や軍人、一般の人々の反感を買ってしまいました。
1916年12月19日、皇帝の姻戚のユスポフ公は皇帝の従兄弟のドミトリー大公と共謀し、ラスプーチンを晩餐に誘い、彼の食事に青酸カリを盛りました。しかし、ラスプーチンは毒入りの食事を平らげた後も態度に変化を示さず、ユスポフ公は驚いたものの、ラスプーチンの好きな甘口のワインを飲ませ、泥酔させます。
泥酔したところで、ユスポフ公はドミトリー公から拳銃を受け取り、ラスプーチンに向かって2発発射しました。
銃弾はラスプーチンの心臓と肺を貫通し、彼は床に倒れ込んだものの、起き上がったてきたため、ユスポフ公は驚いて中庭に逃れ、、騒ぎを聞いて駆け付けたプリシケヴィチがラスプーチンに向かい拳銃を4発発砲した。4発の内3発は外れたが、1発は右腎静脈から背骨を貫通し、ラスプーチンは雪の上に倒れました。
ところが再び起き上がってきたため、ユスポフ公は靴でラスプーチンの左目を殴り、その後、ラスプーチンは額を拳銃で撃たれました。
倒れたラスプーチンは、両手、両足をロープで縛った後、絨毯で簀巻きにされ、凍りついたネヴァ川まで引きずられ、氷を割って開けた穴に押し込まれた。
三日後にラスプーチンの遺体が発見され、警察の検視の結果、肺に水が入っていた事から死因は溺死とされた。また、手を縛っていたはずのロープもほどけていました。川に投げ込まれた時もまだ息があったのですね。
映画でラスプーチンの持っていた青く光るガラス管は、「骨つぼ」と訳されていましたが、本来はtube reliquary(聖遺物管)というもので、ガラス管の中に聖人の遺骨の一部や毛髪、遺物のかけらなどを入れたもので、お祈りの時やお守りとして使うものです。
悪魔と取引したラスプーチンは、このガラス管に魔力を閉じ込め使っていました。
ラスプーチンの予言通り、ロシア革命がおこり、兵士たちが宮殿に突入してきました。皇太后とアナスタシアは従僕のディミトリの手を借り隠し扉を通り逃げることが出来ました。この時、大切なオルゴールを無くしてしまうのです。
二人は混雑した駅で列車に乗るとき、アナスタシアは列車から落ち線路に倒れて気を失って、別れ別れになってしまいました。アナスタシアはこの時の衝撃で、記憶喪失になります。
10年後
駅で気を失ったアナスタシアは、記憶喪失になり、素性が分からないためターニャという名前で、孤児院で育てられていました。今日は魚工場で働くため、孤児院を出る日です。
しかし、分かれ道でターニャは漁師町ではなく、ペテルブルグへの道を取りました。
ペテルブルグではニコライ2世の末娘アナスタシアが生き残っており、祖母に当たる皇太后が、孫娘を連れてきた者に1000万ルーブルの賞金を出すとの噂が流れていました。
その噂を信じたディミトリとウラジミールは、その賞金を狙っていました。劇場でアナスタシアに似ている女の子を求めてオーディションを行いましたが、当てはまる女の子が居なくてがっかりしていました。彼らは素人の女の子をアナスタシアに仕立て上げ、賞金をもらうつもりでした。
そんな中、アーニャが現れたのです。
アーニャがアナスタシアに似ていることに気が付いたディミトリは、アーニャをアナスタシアに仕上げることにして、ウラジミールと共に3人でパリに向かいました。
魔界では眠っていてたラスプーチンが目を覚まし、呪い達成のため活動を開始します。
アーニャはパリへの道中、王女として必要な礼儀作法や皇族の名前などを学びました。
途中ラスプーチンの魔力により、乗っていた列車が谷に落ちたり、催眠術にかけられたアーニャが荒れた海に飛び込まされそうになりましたが、どうにかパリにたどり着くことが出来ました。
この旅を通して、最初いがみあっていたアーニャとディミトリの心が近づいてきました。
パリに着いた一行は、ウラジミールの知り合いで皇太后の侍女をしているソフィーに会います。ソフィーは長い時間をかけてアーニャがアナスタシアかどうか質問攻めにしました。
最後の質問で、宮廷からどうやって脱出したか聞かれたときねアーニャはこう答えました。
「宮殿で働いていた男の子が、壁を開いて逃がしてくれた。」と。
これを聞いて、ディミトリは驚きました。
最後の夜、壁に仕掛けられた秘密の扉を開いて、皇太后とアナスタシアを逃がしたのは、ディミトリでした。
そしてこのことを知っているのは、皇太后と、アナスタシアと、ディミトリの3人だけです。アーニャは本物のアナスタシアだったのです。
その晩ロシアバレイの観劇に皇太后が行くことを知った、アーニャ達3人も同じ劇場に行きました。
ディミトリは皇太后にアーニャに会ってくれるようお願いしましたが、断られてしまいます。
ディミトリは一計を案じ、皇太后が車で帰るのを待ち伏せして車に乗り込んだ時を狙って車を奪い、強制的にアーニャの元へ連れて行きました。
怒った皇太后にディミトリは、皇太后とアナスタシアが宮殿から逃げる時に落とした、宝箱のオルゴールを見せました。
オルゴールに興味を持った皇太后は、アーニャに会いに行きました。オルゴールを皇太后から受け取ったアーニャは、昔、皇太后から教わった歌を口ずさみながら、子供の時から首にかけていた、「パリで一緒に」と書かれたペンダントで、オルゴールを開けました。
オルゴールから流れてきた曲は、アーニャが口ずさんでいたのと、同じ曲でした。これを見ていた皇太后は、アーニャが本物のアナスタシアだと認め、二人は抱き合いました。
アナスタシアが見つかった皇太后主催のお祝いパーティーで、ディミトリは差し出された1000万ルーブルの懸賞金を断り、ひとり駅に向かいました。
それを知ったアナスタシアは、宮殿から抜け出しました。
そこを、かねてからロマノフ王朝の血を絶やすべく呪いをかけていたラスプーチンが現れ、アナスタシアに襲い掛かりました。
アーニャのことが気になって戻ってきたディミトリが、助けに入ります。
ディミトリとラスプーチンが争っているすきを狙い、愛犬のプーカがラスプーチンの手から、魔力の詰まったガラス管を奪い、アナスタシアに渡しました。
アナスタシアはそのガラス管を、力いっぱい踏み砕きました。
魔力を失ったラスプーチンはねこの世から消えてなくなります。
アーニャとディミトリは相談して、皇太后から送られた豪華な髪飾りを返すことにしました。
皇太后にもとに送られた髪飾りには、短い手紙が添えられていました。
“おばあ様 幸運を祈って
パリでまたお会いします。
楽しみに”
もう一つのアナスタシア伝説をもとにして作られた映画 ↓
映画「追想」ニコライ2世の第4皇女アナスタシアにまつわる伝説を扱った映画です。
この映画の背景、ロシア革命の説明はこちら ↓
ロシア革命 その2 ロシア内戦と、ソビエト社会主義共和国連邦の樹立まで
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