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亀仙人2映画 「アメリカン・スナイパー」
イラク戦争で160人(公式、非公式では255人)の敵戦闘員を殺害し、味方からは「伝説の狙撃手」と呼ばれ、敵からは「ラマーディーの悪魔」と呼ばれたクリス・カイルの話です。
映画の副題「彼は帰ってきた。心は戦場に置いたままで。」とあるとおり、帰国しても戦場でのことが忘れられず、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩むことになります。
アイキャッチ画像はクリス・カイル本人(出典 ウィキペディア)
監督
クリント・イーストウッド
脚本
ジェイソン・ホール
原作
クリス・カイル『ネイビー・シールズ最強の狙撃手』(原書房)
製作
クリント・イーストウッド
ロバート・ロレンツ
ピーター・モーガン
アンドリュー・ラザール
ブラッドリー・クーパー
出演者
ブラッドリー・クーパー
シエナ・ミラー
撮影
トム・スターン
編集
ジョエル・コックス
ゲイリー・D・ローチ
この映画の背景となったイラク国内の様子はこちらをご覧ください ↓
あらすじと感想
この映画の評価をめぐって、アメリカでは保守派とリベラル派とで大きく2つに分かれています。
保守派が
「愛国的で、戦争を支持する傑作」
としているのに対して、リベラル派は
「戦争を美化している」
と非難しています。
監督のクリント・イーストウッドは、戦場と家庭を行ったり来たりする彼の言動と周囲人々の反応を、淡々と描いています。善い悪いは見る人の半断に任せましょうと言う撮り方です。
だだ、このサイトは戦争反対の立場で書いていますので、批判的な面が多くなりますが、ご勘弁ください。
クリスは幼いころ父親に
「人間は羊と、狼と、番犬に分かれる。お前は、か弱い羊を狼から守る番犬になれ。」
と教わってきた。
高校卒業後、牧場で働く傍ら、ロデオに出て賞金を稼ぎ、生活していた。
1998年ケニアとタンザニアのアメリカ大使館が、アルカイダによって爆破されるテロ事件が起こる。このニュースを見たカイルはアメリカを守るため1999年海軍への入隊を志願して、厳しい訓練の後Navy SEALsのチーム3に配属されました。
1回目の出征
訓練中タヤと交際を始め、やがて結婚します。しかし、結婚式当日カイルはイラクへの派遣が決まり、3日間のハネムーンの後イラクのファルージャへ向かいました。ファルージャはフセイン政権打倒後、地元の民兵組織との最大の戦いが行われた場所です。
イラクでの最初の仕事は、対戦車手榴弾を手に戦車に立ち向かった女性と子供を殺すことでした。
この時使われた手榴弾はこれ ↓
RKG-3 対戦車手榴弾
RKG-3(РКГ-3)とはソビエト連邦で製造された一連の対戦車手榴弾(対戦車擲弾)の呼称です。
戦車は前部や側面に対して、上面の装甲が薄いため戦車の上空に向かって投げると小さいパラシュートが開き、真上から落下するようになっています。
170ミリ~220ミリの鋼板を貫通する能力があります。
カイルは、その後も活動する米軍兵士の脅威となる人物を次々と撃ち殺し、やがて「伝説」と呼ばれるようになります。
この映画では、クリスは行動するアメリカ軍を守るため不審者を監視している最中、狙撃銃を構えながら衛星電話でアメリカ国内の国内の妻と話しています。アメリカではこのような行為が許されているのに驚きました。
アメリカ軍は、ファルージャの戦いで最大の敵ザルカウィと彼のグループ、イラクのアルカイダ(イスラム国の前身)の幹部を捕らえるため、しらみつぶしの家宅捜索を行う作戦を立てます。クリスも護衛のため同行します。ザルカウィはファルージャの戦いで人質となった日本人香田証生(こうだ しょうせい、当時24歳)を処刑しています。彼のグループは残虐な行為をすることで知られています。
クリスはアルカイダ側の狙撃兵、ムスタファの情報を得ました。彼は元シリアの五輪選手で相当の凄腕とのことです。
海兵隊員に犠牲者が出たことで栗栖も捜索隊に加わり、長老を捕らえて尋問しました。長老は10万ドルと引き換えに、虐殺者と呼ばれる幹部の話をすることになりました。
本部に帰り、長老から詳しい情報を得るため10万ドルをもって長老の家に近づいたとき、敵側の狙撃手ムスタファの銃弾で運転手が撃たれてしまいます。
クリスト仲間たちは急いで隠れましたが、何人か犠牲になりました。その間アルカイダの虐殺者は長老の子供を広場に引きずり出して、頭にドリルで穴を開け殺しました。止めようとした長老も殺されます。
最後に虐殺者は
「米軍と話すやつは死ね!」
と言って去っていきます。その間クリスは、ムスタファに照準を合わせられていたため、虐殺者の動きを阻止できませんでした。
この事件で、狙撃手の存在の大きさが分かりました。
米軍は殺された長老とその子供、そして家族をそのまま残して基地に帰ります。
1回目の帰還
帰って来た夫を見て、妻タヤは夫が変わってしまったことに気づきます。ちょっとした物音にも緊張して、家から出ようとしなくなってしまったのです。
タヤは妊娠の診断にかこつけて夫を診てもらいました。すると血圧が以上に高く170/110になっていました。しかし、クリスは診療を拒否します。
病身から帰る途中タヤは陣痛を起こし、男の子を出産しました。
家で子供を顧みずイラク戦争のテレビばかり見ているクリスに、タヤは
「体だけでなく、心も戻ってきてほしい。」
と訴えます。
2回目の出征
基地に到着した日、アメリカに帰還する弟ジェフに出会いました。彼はイラクでの戦いに疲れきっていました。
クリスは中佐からイラクで最重要指名手配人にされ18万ドルの懸賞金がかけられたことを知らされます。
今回の任務は直接行動班を組み、前回取り逃がした「虐殺者」と追跡することです。兵曹長となったクリスは追跡班の指揮を執ることになりました。
作戦会議の後、仲間のマークが
「胸ポケットの聖書は弾除けか、読んでいるのを見たことがない。神を信じているのか」
と聞いてきました。この聖書はクリスが教会からくすねてきた物で、常に持っています。
また彼は
「俺たちは正しいことをしているのか」
との疑問もぶつけてきました。
マークが戦いに疑問を持ったことに対して、クリスは一抹の不安を感じます。
「虐殺者」があるレストランに入ったと連絡を受けたクリスは、真向かいにある民家に押し入り監視所にしました。
食事に誘ったこの家の主人の左肘が黒く変色しているのに気がついたクリスは、ひそかに家捜しして床下に大量の銃が隠されているのを発見しました。
銃を構えるとき左肘を固定するため、銃を扱うことが多いと左肘にタコが出来黒く変色します。
クリスらに問い詰められたこの家の主人は、しぶしぶおとりとなって店を訪ね入り口を開けさせました。米軍は店に突入しましたがこの主人は死んでしまいます。
激しい市街戦の後「虐殺者」は死亡し、作戦は終了しました。
ムスタファは知らせを受け駆け付けましたが、そのときクリス達は民間人が死んだことに抗議する群衆に追われ、立ち去るところでした。
2回目の帰還
オートショップで新しいタイヤに付け替えてもらうのを待っていると、かってファルージャの戦いで命を救われた海兵隊員マッズに出会います。彼は戦いで左足を失いましたが、生きて帰れたことに感謝し、帰還しても苦しんでいる仲間のために退役軍人会に来てくれるよう頼みました。クリスもそのうち訪れると返事します。
新しく生まれた赤ん坊に会いに病院をーに行ったクリスは、看護婦が娘が泣いているのに無関心でいることに怒り、怒鳴りだしてしまいました。感情を抑えることが、出来なくなっています。
妻タヤは、イラク戦争に心を奪われ家庭を顧みない彼に
「戦争で影響を受けない人はいない。いつか心を蝕ばれる。」
と言いました。
3回目の出征
暗殺者の手下を追跡中待ち伏せに会い、安全確保のためクリスと一緒に屋上に出たビグルスは1000メートルの遠距離から敵の狙撃手ムスタファに撃たれ顔面を負傷しました。
ビグルスをキャンプに運んだ一行はマークの
「報復の掟、目には目を」
の一声で、再び戦場に戻りました。しかし、今度は声をかけたマーク自身が敵に撃たれ戦死してしまいます。
クリスは戦死した兵士の棺とともに、輸送機でアメリカに戻りました。
3回目の帰還
帰国したクリスはタヤとともにマークの葬儀に出席します。マークの母親が、死の2週間前に届いた彼からの手紙を読み上げました。それには戦いに疑問を持ち迷っているマークの姿がありました。
マークが戦死した原因を尋ねたタヤに、クリスはこう答えています。
「彼はイラク戦争に疑問を持ち、戦う意欲を失った。そのため高いツケを払うことになった。」
負傷したビグルスを見舞いに行ったクリスは、彼が視力を失ったことを知って復讐することを誓いました。
1000メートル離れたところから撃つことの出来るムスタファと戦うことになったクリスは、死を覚悟してタヤに自分が戦死した後のことを託しました。
タヤは彼に戦地に行かないよう懇願しましたが、クリスは無視してイラクに戻ります。
もし、敵の狙撃手にこちらの居場所を知られてしまったら、1000メートル先におかれたスイカ大の敵の頭を探している間に先に撃たれてしまいます。
4回目の出征
イラクに舞い戻ったクリスは、ビグルスが手術中に死亡したことを知らされました。
今度の戦場はバクダッド市内のスラム街、サドルシティと呼ばれる一角です。イラクの反政府勢力はこの町を根城にアメリカ軍と対立していました。アメリカ軍はアルカイダの侵出を防ぐため防護壁を作っていましたが、作業要員が敵の狙撃手によって倒されています。クリス達に課せられた任務は、この狙撃手を排除することでした。
クリスたちは敵陣深く侵入して、廃墟となったビルの屋上に拠点を構えました。そのとき作業中の一人が、敵の狙撃手によって射殺されてしまいます。弾の飛んできた方向から1920メートル先の敵を捕捉することが出来たクリスは、即応隊の出動を要請しました。
撃つと位置を知られ、周囲の敵に襲われるのを防ごうとする仲間の声を無視して、次の犠牲者が出ることを防ぐためクリスは狙撃手ムスタファに向かって発砲してしまいます。弾はムスタファに命中しましたが、ビルの屋上に陣取る彼らに気がついた敵が一斉に襲い掛かってきました。
あまりの敵兵の多さに弾切れになったクリスたちは、ちょうど襲ってきた砂嵐に助けられ、戦場から脱出することが出来ました。
除隊後
除隊後イラクの戦場での体験が忘れられず、ボーッとしていることが多くなりました。
ある日、庭でバーベキューをしているとき犬が倒れた子供にじゃれ付いているのを見たクリスは、犬を子供から引き離し、殴り殺そうとしました。
心配した妻タヤは、クリスを医者に診せます。狙撃手として160人の敵を射殺したことに悔いはなかったかと聞かれたクリスは、
「後悔していることは、もっと多くの敵を殺せなかったことだ。もし殺していれば多くの仲間の命を救えた。」
と、答えます。
この答えを受けた医師は、
「この病院にも戦って心身に傷を受け、助けを求めているものが大勢いる。」
と話し、クリスを病院で治療を受けている退役軍人たちに会わせました。
負傷した退役軍人に会ったことでクリスは彼らを助けるために活動し、クリス自身も癒されていきました。
やがてクリスは故郷のテキサスに牧場付きの家を買い、元のカウボーイとしての生活を始めます。
ここでも退役したPTSDに悩む息子の母親に頼まれて、元海兵隊員のエディー・レイ・ルースと射撃場に行くところで映画は終わります。
ところが射撃場でクリスは、ルースに射殺されてしまったのでした。
この事件はこの映画の撮影を開始したときには、まだ起こっていないため脚本には載っていません。映画ではだ1行のテロップで、クリスが殺されたことを示すだけです。
戦争では生き残った者も心身に障害を受け、回りに迷惑をかけます。
戦争には勝者も敗者もありません。ただ、大勢の被害者が生まれるだけです。
イラク戦争を起こしたぶつ種大統領の映画はこちら ↓
この映画と同じく帰還した兵士のPTSDを扱った映画です。 ↓
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