なぜ戦争が始まるのか 

映画からその訳を探ってみようby亀仙人2世

ドラマ『倒壊する巨塔-アルカイダと「9.11」への道』 Vol.6。なぜ、 9.11を防げなかったのか

time 2021/11/05

ドラマ『倒壊する巨塔-アルカイダと「9.11」への道』 Vol.6。なぜ、 9.11を防げなかったのか

2001年9月11日、アメリカ同時多発テロが起きました。事件後米国同時多発テロ調査委員会が設けられ、なせ防ぐことが出来なかったか、調査が行われました。

アイキャチ画像の人物は2000年1月15日にアメリカに入国したハイジャック犯の一人、ナワーフ・アル・ハズミです。出典Wikipedia

入国した時から彼を追跡していれば、9.11のテロ事件は防げたとされています。

9.11で息子さんを失くした父親の住山 一貞氏が、素人ながら同時多発テロ調査委員会の報告書を翻訳し、事故後20年になって出版にこぎつけました。

 

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『倒壊する巨塔-アルカイダと「9.11」への道』 Vol.6 DVD6枚目

エピソード10(最終回) “9.11”

最終回では9.11同時多発テロ発生後の、各登場人物の動きを追って行きます。

冒頭で2004年に行われた9/11同時多発テロ調査委員間の聴聞会で、国家安全保障会議のリチャード・クラークは、

「まず私はこの公聴会で謝罪したい。テロの犠牲になった方々とその家族、この会議に列席している皆様。テレビを視聴している方々に。

政府は皆様の期待を裏切った。国民を守るべき政府は、皆様の期待を裏切った。私も同様裏切った。こうならないよう努力しましたが、失敗したら意味がありません。」

今まで聴聞会でいろいろな人の言い訳を見てきましたが、こうはっきりと自分の失敗と責任を認めた人は、居ませんでした。

 

それと正反対なのが、シュミットからCIAのアレックス支局を受け継いだダイアンです。サングラスとショールで顔を隠した彼女は姿を見られないように、幕で覆い隠された席で証言していました。事件後彼女は身を隠すために、CIAの情報部から作戦部に異動したそうです。作戦部では実際に現場に出るため、身分を隠す必要があるのです。

次に議長が、ミダルとハズミの2名のハイジャック犯をを2000年3月に国内に居ることを知りながら、FBIに渡したのは17か月後の2001年8月になってからで、しかも大勢のアラブ人飛行学校生徒の名簿の中に埋もれさせて渡したのは、確かですか、と質問しました。

それに対して、ダイアンは2名の資料は私が直接届けたと、答えました。

議長はFBI各局には、入管記録があり、その中にあなたの名前は記録されていないというと、ダイアンは私が直接届けたと、嘘をつきとおします。

 

肝心のブッシュ大統領は、自分の過失を認めるどころか、

「必ず犯人を見つけ出し、罰を受けさせます。」

と国民の復讐心を煽る発言をしました。

 

図書室勤務にされていたシュミットは、アレックス支局に戻り、予算と人員を倍増することと、武力行使を認めることを条件に支局長に復帰しました。

 

事件直後あわただしく非難をしているホワイトハウスの中で、一人持ち場を離れないでいたクラークのもとにCIA長官のテネットがやって来ました。

テネットの話は

「ハイジャック犯19人の身元を調べたら、15人がサウジアラビア人と分かった。これが知られると、国内に居る王族や大使に危険が及ぶ恐れがある。アラブの要人たちを国外退避させるために、ライス国務長官に頼んでくれ。」

というものでした。

話を聞いたライス補佐官は、サウジアラビア要人の国外退去に同意し、さらにラムズフェルド国防長官から事件をサダム・フセインに結びつけるよう言われました。この話を聞いてクラークは驚きます。

9/11レポートでは、1週間後クラークがサダム・フセインが事件に関係ないとの意見書をライス補佐官に出しています。このことから、ブッシュ政権幹部は、アルカイダよりサダム・フセインに関心があったことが読み取れます。

 

9.11以後アメリカは全ての飛行機に対して、飛行禁止の処置がとられていました。クラークの頼みを聞いたライス国務長官は9月13日に飛行禁止を解き、142人のサウジアラビア人がチャーターした旅客機や自家用機で、アメリカから出国しました。その中にはビン・ラディン一族の24人も含まれます。一般の航空会社が運用を再開したのは、9月14日になってからです。その後9月24日までに総勢300人以上のサウジアラビア人が、国外に脱出しました。

やはりアメリカ政府とサウジアラビアには、怪しい関係があるようです。

 

サウジアラビアとアメリカの関係は、こちらの映画を見てください。

詳しく載っています。 ↓

映画 「華氏911」なぜイラク戦争が起こったのか? その訳をマイケルムーア監督が暴きます。

イエメンに派遣されていたスーファンは、現地で9.11同時多発テロを知り、本国に帰還する飛行機に乗る直前、CIA局員のチホインによって大使館に呼び戻されました。

大使館に戻ってみるとマレーシア会議の資料を渡され、この人物がアルカイダと関係があるかどうか調べてくれと、言われました。この資料は1年以上も前からCIAに公開するように、求めていたものです。これがもっと早くから手に入れていれば、同時多発テロを防ぐことが出来、クラークも亡くならずに済んだはずです。

警察署に行ってみると、署員たちはアメリカが攻撃されたことに喜んでいました。

署員たちが、『アメリカの外交政策のツケさ』と話しているのが気になります。

アミン署長にアブー・ジャンダルとの面会を断わられて、署長に飛び掛かったことで、スーファンは留置所に入れられてしまいました。

 

心配してやってきたカミッシュ将軍に、スーファンはビルが崩壊したことで、保安主任として勤めていたクラークも、死んだらしいと話しました。話を聞いた将軍は、彼を留置所が出してあげました。

その後スーファンは、カミッシュ将軍が勤めている軍の基地に連れていかれました。そこには、警察署からアブー・ジャンダルが移されてきていました。

 

スーファンが尋問のために用意したのは、イスラム教の経典である『クルアーン(コーラン)』と、ムハンマドが自分自身の言葉として語ったものや、日々の行いを記した『ハディース(言行録)』と数枚の写真でした。

これを手に、9.11同時多発テロがアルカイダによって行われたという証言を、得ようとしました。

スーファン

「なぜ君は、アルカイダに」

ジャンダル

「ユダヤとキリスト教を廃し、アラブをイスラム教徒後にする。コーランにそう書いてある。」

スーファンはコーランを取り出し

「コーランのどこに書いてあるか、指さして見ろ。・・・させないだろう。どのイスラム教の学者に聞いてもいい、コーランにどこにも、そのようなことは書かれていない。お前は嘘の教えを、信じ込まされていたのだ。」

更に

「知っていたか。ムハンマドの妻はユダヤ教徒だったことを。彼女は言う『父はアロン、叔父はモーゼ、夫はムハンマド』と。」

ムハンマドの最初の妻ハディージャは、40歳で結婚するまでに二人の夫を持っていた寡婦でした。そして2番目の夫が亡くなった後、その商売を引き継ぎ、結婚してときは大商人となって、夫ムハンマドの布教の資金を提供していました。

ムハンマドが、マッハ郊外のヒラー山の洞窟で瞑想にふけっていた時、大天使ジブリール(ガブリエル)から唯一神(アッラーフ)の啓示を受けたのは、結婚してから15年後の40歳になってからのことです。

つまり結婚した当時、イスラム教はまだ成立していませんでした。ですから妻のハディージャがユダヤ教徒だったのも、納得できます。また彼女は、イスラム教最初の信者となりました。

ムハンマドが初めて神の啓示をうけたヒラー山の洞窟

出典ウィキペディア

 

思いがけない話を聞いて黙ってしまったアブー・ジャンダルに、スーファンは3枚の写真(ハラド、ハズミ、ミダル)を出し、知っているかどうか尋ねます。ジャンダルは3人とも知らないと言って、突き返しました。

続いてスーファンはもう一枚の写真を、取り出します。そこには二人の男が写っていました。その一人を指さし、「誰だ」と尋ねるとジャンダルは、「私だ」と答えます。そして一緒に写っていた男はねハリドだと言い、3枚の写真のうちの一人と同じ人物であることを認めました。

しかし、残りの二人については否認します。

スーファンは

「コーランにはこう書かれている『アッラーは偽るものを導かない』。ハディース(言行録)には『偽善者の特徴は3つ”嘘をつく”、”約束を破る”、”信頼を裏切る”』、君は良い信者か、それとも偽善者か。」

と尋ねます。

ジャンダルは、残り二人のうち一人はハズミ、もう一人はミダルで3人ともアルカイダだと認めました。

スーファンは見地の新聞を見せます。そこには攻撃を受けて崩壊する世界貿易センターの写真が載っていました。

スーファンが

「これはアルカイダの仕業だ。」

というと、ジャンダルは

「アメリカが他国を攻撃する口実で、アルカイダではない。」

と返します。

しかし、スーファンが、

「アルカイダの仕業であることは、今、君が教えてくれた。」

と言って、写真の下を指さしました。そこに書かれたハイジャック犯の名簿の中には、ナワワ・ハズミ、ハリト・ミダル、2名の名前がありました。

最後にスーファンはコーランを開いて、そこに書かれた1節を声を出してて読むように言います。

その部分は

人を殺したものは、全人類を殺したのと同じである。

人の命を救うものは、全人類の命を救ったのと同じである。

これがコーランに書かれている、イスラム教の教えです。

 

事件直後、FBIのチェズニーが頭からほこりをかぶり、真っ白になった姿で現場近くに住むオニールの恋人ボビーの所にやって来ました。彼はビルが崩壊する直前まで、周りの人にオニールのこと聞きまわっていたそうです。

ボビーはチェズニーの汚れを落とした後、留守番電話に残されたオニールの声を聴かせました。

『やあ、北棟で爆発か何かが起こったらしい。巨大な穴があるねみんなを避難させるよ。18歳の君が最上階のレストランで海を眺めている姿が目に浮かぶ。ビルが修復されたら二人で最上階のレストランに・・・・・。ピート状況は?またかけるよ・・・ 』

とまで言ったところで、通話は途切れてしまいました。

オニールの遺体は10日後、がれきの下から発見されました。

各DVDの内容と解説のリンク下に張っておきます。

DVD1枚目 『倒壊する巨塔-アルカイダと「9.11」への道』Vol.1

エピソード1”始まり”

製作スタッフによる、エピソード1の解説

DVD2枚目 『倒壊する巨塔-アルカイダと「9.11」への道』Vol.2

エピソード2”我が宗教の喪失”

エピソード3”犯された過ち”

DVD3枚目 『倒壊する巨塔-アルカイダと「9.11」への道』Vol.3

エピソード4”水銀”

エピソード5”2000年問題”

DVD4枚目 『倒壊する巨塔-アルカイダと「9.11」への道』Vol.4

エピソード6”戦場の少年”

エピソード7 “将軍”

DVD5枚目 『倒壊する巨塔-アルカイダと「9.11」への道』Vol.⒌

エピソード8 “特別な関係”

エピソード9 “火曜日”

DVD6枚目 『倒壊する巨塔-アルカイダと「9.11」への道』Vol.6

エピソード10 “9.11”

スタッフによる最終回の解説

 

このDVDは下の店から月8枚まで、郵送で借りられます。特定のDVDを見たいときは便利なので私はこちらを利用しています。↓


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